2011/05/17

            自然を愛する




自然はあらゆる要素が一つのハーモニーをなして、
偉大で美しい音を作り出します。
誰一人として排除したりせず、
どんな人でも受け入れて調和をもたらします。

自然は困難にぶつかるたびに慰めてくれたし、
絶望して倒れるたびに奮い立たせてくれました。

自然を感じる感性のない人は
教育したところで何が変わるでしょう。
せいぜい世間に広まった知識を積み上げて、
個人主義に陥るだけではないでしょうか。

自然との交感を楽しめる人であってこそ、
素晴らしい人格が身につくと言えます。

            春の庭園 



乾いた冬の終わりに、夜通し雨が降りました。
どれほど嬉しいことでしょうか。

朝の間中、庭をあちこちと歩き回りました。
湿りを得た地から、冬の間ずっと嗅ぐことのできなかった
土の香りが芳しく匂い立ち、 しだれ柳や桜の木には小さな芽が萌え始めました。

至る所から、ぽんぽんと新しい命の息吹の音が聞こえてくるようです。
一晩降った雨で、すべてのものが香りを放つ春の庭園になりました。

世の中が騒がしかろうと、どうであろうと、
三月になれば、必ず春は訪れてきます。
このように冬が去って春になり、  
春になれば花が満開になる自然は、とても貴重なものなのです。

私が何者だからといって、
神様は季節ごとの花を咲かせ、雪を降らせ、
生の喜びを与えてくださるのでしょうか。

胸の内、その奥深いところから愛が溢れ、
それが喉元まで込み上げて来て、息が詰まるようです。

私はこの春を迎える庭でまことの平和を味わっています。
平和もまた、神様が何の見返りも求めず、 ただで下さったものです。

私たちはそれをどこでなくしてしまったのでしょうか。
全く見当違いの場所で、平和を探しだそうと、
努力しているのかも知れません。